サラの裁縫箱

リングピロー製作日記

えんぴつけずり

えんぴつけずり

今日、仕事材料の買い出しに出かけました。
売り場で若いお母さんに「ちょっとお訊ねしますけど、この袋にはどのひもがいいんでしょう?何メートルくらい買えばいいんでしょう?」と声をかけられました。
ピンポイントで必要なものをバンバンかごに入れている私を見て、店員かその道のプロとでも思ったのでしょうか。。
隣には幼稚園にあがるくらいの可愛い女の子がいました。
この時期は入園入学グッズを作るお母さんたちで店内はとても賑わいます。
知ったかぶりの私は「これは木綿だからすべり易いこっちのコードがいいですよ。寸法は両側から引くなら2本分で1m、片方だけなら1本分で50cmくらいかな。1本だと絞り口が緩むからストッパーを付けてあげるといいかも」と得意気に言いました。
お母さんは「ありがとうございます」ときちんとお礼を言って商品を選んでいました。
自分がその親子の役に立てたようでちょっと嬉しい気持ちになりました。
 それから、以前から卓上の鉛筆削りを買おうと思っていたので文具売り場に移動しました。
エスカレーターをあがった所に入園入学お祝いセールというワゴンがありました。
私は「SALE」の文字や特売品のワゴンに弱いのです。
でもその前には小さな子供を連れたお母さん達がたむろしていてワゴンには近付けません。
子供達も騒ぎ放題でワゴンの中をかき回しています。
「おしゃべりなら他所でやってよ」「悪い事したらちゃんと叱ってよ」と心の中で悪態をついて通り過ぎようとした時、その中にさっきのお母さんがいました。
そして目が合いました。
するとその人が決まり悪そうな顔をして「邪魔になるね」と他の人を通路の端に誘導してワゴンの前をあけてくれました。
こうなるとワゴンを覗かない訳には行きません。
仕方ないので、中を物色しているとミニーの鉛筆削りがありました。
私は日々使う道具だけは決して安物は買わないと心に決めています。
これまでミシンはもちろんラシャばさみや和ばさみ、目打ちやルレット等安物を買って失敗した事があるからです。
携帯用の鉛筆削りの刃の悪さに嫌気がさしていたので、卓上は絶対良いものを買おうと思っていたのに、なんだか引っ込みがつかなくなってミニーの鉛筆削りを手に取り、背中にお母さん達の視線を浴びながらレジに向かいました。
手に取った瞬間その軽さに嫌な予感がしていたのですが、家に帰って削ってみると、案の定子供向けの商品らしい仕上がりでした。
 ひとりひとりはとても良識のある普通の人でも、大勢になると気持ちも態度も大きくなってしまうのは何故なのでしょう。。。
私には似合わない可愛いピンクの鉛筆削りを眺めながら考えました。