サラの裁縫箱

リングピロー製作日記

ピアノ

ピアノ

 幼稚園から中学卒業までピアノを習っていました。
ヤマハアップライトピアノで、習い始めの頃は椅子に座っても足が床に届かず、両足をブラブラさせながら姉とふたり弾いていたのを覚えています。
今回訳あって実家に置いてあるピアノを処分する事になりました。
引き取ってもらうにあたり、型番やペダルの数を伝え査定を待ちましたが、やはり古過ぎて値段は付きませんでした。
それでも普通なら運搬費だけでも相当額になるのに、無料で引き取ってもらえるという事で思い切って処分する事にしました。
何年も調律さえしていないので、端から端まで鍵盤を叩くと??という箇所がいくつもあり、くたびれたその姿に時間の経過を思い知らされます。
 ピアノと言えば、今でも両親に思い出話としていつも聞かされる事があります。
それは私が5才の時、大きなホールで発表会があって、あまりの緊張に舞台袖から中央のピアノまで、右手と右足、左手と左足を同時に出してロボットのように歩いた事です。
会場から失笑が起こったそうですが、もちろん私はあまりに一生懸命で笑われた事など全く覚えていません。
両親は、最近の事はものすご〜くよく忘れるのに、なぜか子供達の幼い頃の失敗談だけムカつくほどよく覚えているのが不思議でなりません。
「どうせ私はロボットだったしヘタクソだったよ!」と捨て台詞を吐いても穏やかに笑っている両親を見て、本当はピアノを習わせてくれた事に感謝している事をいつか伝えようと思っています。