サラの裁縫箱

リングピロー製作日記

さくら

さくら

夕方出掛けたついでにかいひん荘の桜を見て来ました。
今年はもうひとつのmyさくら、段葛の桜が修復工事中で見られず寂しいです。
旅館の桜は随分花が開き始めていて、今3分咲きといったところ。
日が長くなり、6時近くになっても薄暮にうっすら淡いピンクの花びらが浮いて見えます。
駐車場で樹の真下から空を見上げたら、暗くなり始めた空に小さな半月がありました。
撮影が下手なので、ゴミのように写ってしまいましたが、右下の白いポッチが月です。
毎年桜を見ると、ああ今年も生きているんだなぁ〜としみじみ思います。
私は中学時代に読んだ梶井基次郎の「桜の樹の下には」の一説がこの歳になっても忘れられません。
「木の下に死体があると思う事で不安がらせた神秘から自由になる」といった感性は持ち合わせていませんが、桜を見ると、亡くなった人の思いが乗り移って精一杯咲いているように思えて、いつも切なくて悲しくなります。
1年に1度、短い間狂うように咲き乱れ、さっと消えて行く美しい桜の花に畏怖の念を抱いているのかもしれません。
昨年御嶽山で亡くなった人、先日のチュニジアの事件や今回飛行機事故に遭われた人も、きっと今年の桜を楽しみにしていたと思います。
だから私は桜の樹の下で賑やかに酒会をしたいとは思わないのです。