サラの裁縫箱

リングピロー製作日記

プールの碁石

プールの碁石

この夏は扇風機をよく使います。
暑くて1ミリも動きたくないほどダルい時は、ソファーに座ったまま右足を伸ばして扇風機のスイッチを指で押します。
まぁ、好きな人には見せられない格好ですね。。。
運動不足なのか年なのか。。今年はよく足がつります。
「う〜〜」と呻いてのけぞりながら、それでも顔は扇風機の方を向いて風にあたっています。
 
 生まれは岐阜ですが、幼稚園の頃は東京渋谷に住んでいました。
その頃、社宅の裏のプールで水泳を習っていました。
習うと言ってもまだ子供だったので、水に慣れる程度、お遊びの範疇でした。
その一環で、先生がプールの底に碁石を置いて、子供達が潜ってそれを取るという遊びがありました。
当時の私は顔を水につけるのが怖くてなかなか潜れませんでした。
そのうち顔を一瞬水につけるふりをしながら、足の指で碁石をつかむ術を習得しました。
先生や親が見ていない隙を狙って素早く掴んでは手に移し替えていました。
もともと手足が器用だった私は日が経つにつれどんどん上達し、夏の終わりには、取った碁石の数はみんなの中で一番になっていました。
先生は気がついていたようだけど、何も言いませんでした。
注意をされていたら「ごめんなさい」と素直に謝って、その夏の出来事は笑い話として忘れる事が出来たのかもしれませんが、咎められなかった事がかえって罪悪感として心に残りました。
いい大人になった今でも、扇風機のスイッチを足で押すとその時の記憶がよみがえります。
そして足がつると「あの時の罰だ。。この痛みは甘んじて受け入れよう」と耐えるのです。