サラの裁縫箱

リングピロー製作日記

剪定

剪定

 海岸から少し入った路地裏に私の好きな散歩道があります。
この時期は、江の電の小さな踏切脇の家の庭に咲くつるバラが綺麗です。
 そう言えば、このごろ庭師が入ってツゲや松など庭木の手入れをしている家をよく見かけます。
剪定の季節なのでしょうか?
この間近所の大きなお屋敷の表を歩いていたら、上から葉がひらひら落ちて来ました。
見上げたら庭師の男性が高いはしごの上で作業をしていました。
庭の手入れをしている家は、道端に切った枝や葉っぱがたくさん落ちています。
そんな時は、あぁ庭師さんが入っているんだなと思って道の反対側を歩きます。
でも午前の早い時間、剪定を始めたばかりだとそれもなくて、知らずに下を通ってしまいます。
頑固そうなおじいさんは、”すみません”とも”気を付けて”とも言わず、”上を見てさっさと歩け”と言わんばかりに睨むように私を見下ろしていました。
 最近ではどんな小さな工事現場でも警備員さんが立っていて、「足もとに気を付けてください」とか「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」などと丁寧過ぎるほど親切に誘導してくれます。
そういうのに慣れてしまっているからか「こっちは仕事してんだよ。そっちが気を付けろ!」といったおじいさんの態度に少しムッとしてから、気が付かない自分がとろいのかと反省しました。
 目を伏せて足早に通り過ぎながら、”将来髪の薄くなった私の頭に針のような松葉が降り注いだら、その時は絶対文句を言ってやろう”と密かに思いました。