サラの裁縫箱

リングピロー製作日記

花束

saradana2010-01-16

これまでもらった花束で、強く印象に残っているものがふたつあります。
 ひとつは小学校の卒業式でクラスメイト一同からもらった花束です。
卒業と同時に引っ越したので、卒業式がみんなとの最後のお別れになってしまいました。
ひとりで旅行の出来ない子供にとって、遠く離れた町に移る事は、もう二度と戻れない事を意味しています。
新幹線に乗って、窓の外の見慣れた景色がものすごいスピードで後方に過ぎ去るのを見て、本当に遠くに行くんだ、離れてしまうんだ、明日はもう友達には会えないんだ。。という思いがこみ上げて来ました。
花束と、寄せ書きされた色紙と、人形やマンガ本や野球のボール等、みんなからのお餞別の入った紙袋を胸にかかえてずっと泣いていました。
 もうひとつは、明日の朝15年目を迎える阪神淡路大震災の後、横浜に戻った時に友人たちからもらった大きな花束です。
当時たまたま神戸の中央区、まさに被災地ど真ん中の両親の家を訪れていて遭遇しました。
幸い家族は無事だったのですが、電気もガスも水道も止まり、辛く不自由な生活を長期間強いられました。
電車の復旧も時間がかかって、結局横浜に戻れたのは3月でした。
集まった友人宅でみんなから「よく生き残ったね。。おかえり!」と大きな花束をもらいました。
突然で気恥ずかしくて、心のどこかに大勢の人が亡くなった中、自分が生き延びたという罪悪感のようなものもあって、受け取った時は「ありがとう」のひと言しか言えませんでした。
それでもみんなの気持ちが本当にありがたくて嬉しかったのを今でもよく覚えています。
 子供の時の花束は友達との別れ、大人の時の花束は友達との再会。。。どちらも心に残る切ない花束でした。
あの地震から15年、亡くなった方達は今頃天国で笑顔で穏やかに過ごしているのだろうと。。思いたいです。