サラの裁縫箱

リングピロー製作日記

ブラウス

saradana2009-06-23

 私が自分で働いたお金で初めて買った服は、コムデギャルソンのモノトーンのブラウスでした。
働くと言っても大学時代のアルバイト代で買ったのですが、それまでブランドものなど一度も買った事のない人間からすれば、たかがブラウス1枚が本当にびっくりするような値段でした。
でもどうしても欲しくて、ほぼ3日分のバイト代を叩きました。
今でもよく覚えているけれど、少し広めにあいた襟ぐりに小さめのラウンドカラーが付いているシンプルなデザインで、黒と生成りの細かい千鳥格子のポリエステル製で、衿と前立てとカフスに黒のパイピングが施されていました。
 専門学校に通っていた頃、初めて作った課題作もそれによく似たラウンドカラーのブラウスでした。
自分でデザインした服を形にするという授業で、当時もう自分の服を何枚も作っていた私は、少しデキル所を見せたいという思いがありました。
今ではわりと見かけるけれど、ギャザードカラーというのか、襟付けの部分にギャザーを寄せて襟腰を高くした、当時ではかなり奇抜なデザインで、更にパイピングをプラスした難易度の高いものでした。
でも、当時の私のクラス担任は60代の年配の女性で、私のデザイン画を見ると「こんな衿あまり見た事がないわね」とすぐにはマルをくれませんでした。
でも悪戦苦闘の末パターンを起こして見せると「やってみなさい」と言ってくれました。
まぁ、完璧ではなかったけれど、私としてはかなり理想通りに仕上がったと満足していたのですが、担任はやはり見慣れない衿に戸惑ったのか、そのブラウスは”赤点”を食らいました。
 「これ、自分で作ったのよ」という”器用アピール”と、首が細長くデコルテがキレイに見えるその”襟マジック”で、お手製ブラウスはしばらく私の勝負服として活躍してくれました。